J-REITの現状と今後②

初心者向け
前回はREITの基本的な仕組みとREITのメリット・注意点についてお話しました。
今回はコロナ禍でJ-REITがどのような動きをして、今後どうなっていくかについてお話したいと思います。

コロナ禍での急落とその理由

昨年からのコロナ禍ではJ-REITの多くの銘柄が大幅な価格の下落に見舞われました。
注目されるのは、株をはじめ他の投資商品に比べても、J-REITの下落幅が際立って大きかったことです。

J-REIT全体の値動きを示す東証REIT指数は、2020年2月20日に年初来高値の2250.65を付けていました。しかし、そこからわずか1カ月後の3月19日には1145.53まで暴落。下落率は約49.1%に達しました。

一方、TOPIXは、2020年1月20日の年初来高値から3月16日の年初来安値までの下落率が約29.1%で、両者の差は20ポイントにもなりました。
その後の推移を見ても、TOPIXは急速に回復したのに対し、東証REIT指数の戻りは非常にゆっくりしています。

investing.comより作成

なぜREITの下落率はここまで大きくなったのでしょうか。

J-REITの投資先である不動産は、インバウンド(訪日外国人客)が激減して深刻な影響を受けたホテルを除けば、それほど収益は悪化していませんでした。
そもそもオフィスや住宅の賃料は、景気が悪化してもすぐには変動しません。
その点が他の金融商品と比べたREITの魅力の一つでもあります。

しかし、今回の急落前には、長引く金融緩和で溢れた投資マネーが、相対的に高い利回りが期待できるJ-REITに流れ込んでおり、J-REITの価格を大きく押し上げていました。

そうした投資マネーの一部が、今回のコロナ禍をきっかけに一気に流出し、比較的長期で投資している地方銀行などの機関投資家も、価格下落に伴って損失確定の売り(ロスカット)を余儀なくされたといわれています。

つまり、上り過ぎていた分、調整も大きくなったということではないでしょうか。

なのでREITそのもののメリットが失われたとはいえないと思います。

J-REITの現状と今後について

東証REIT指数は昨年6月以降、1600から1800のボックス圏をなかなか抜け出せていませんでしたが、ようやく昨年の高値に迫る水準まで回復してきました。

分配利回りも2021年5月末時点で3.47%あり、十分に魅力的な水準を保っています。
各国の長期国債利回りとの利回り格差の国際比較では、2021年5月末時点で日本は3.47%あり、この数字は、米国REITの1.99%、英国REITの1.81%などより高くなっています。この利回り面での優位性は、世界的に利回りのある資産を求める動きが根強い中で、国際的にもアピールできるポイントといえます。

不動産の用途別に見ると、ネット通販の拡大を受けて「物流施設特化型」は2020年に2割程度、価格が上昇するケースもあり、今後も底堅い動きをしそうです。

まとめ

J-REITの銘柄の多くは年2回、決算発表を行っており、今後、分配金が安定的に出ることが確認できれば、それぞれの価格や東証REIT指数も持ち直していく可能性が高まります。

価格が安定し、分配金利回りも3.5%程度見込めるのであれば、中長期の投資対象としてJ-REITは依然として魅力的な資産といえそうです。

なお、REITへの投資は個別銘柄を選ぶほか、長期積立であれば東証REIT指数に連動するETFを利用するのもよいでしょう。

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