J-REITの現状と今後①

初心者向け

REITは「Real Estate Investment Trust」の略で、投資家から集めた資金を不動産に投資し、その賃料収入などから得られた利益を投資家に分配する投資信託です。

これまでJ-REITは、金融商品の中でも安定した分配金とその利回りで個人投資家から人気がありました。

ところが、昨年のコロナ禍では大幅な価格の下落に見舞われました。最近、ようやくコロナ禍前の高値まで戻しつつありますが、株式市場と比較して戻りが遅い状況です。
果たしてREITにはもう投資としての魅力はなくなったのでしょうか。

そこで今回は、2回に分けてJ―REITについて解説していきたいと思います。

REITの基本的な仕組み

J-REITは、株式のように証券取引所に上場しており、株式会社でいうところの株式に当たる、「投資証券」を発行し、J-REITに投資する投資家は、この投資証券を購入します。
投資家から預かった資金をもとに、J-REITは不動産などに対して投資し、購入した物件の賃料収入や、物件の売買で得られた収益を投資家に分配します。

J-REITは法律によって運用などの実質的な業務を行うことが禁止されており、資産運用業務は「運用会社」に、資産保管業務は「資産保管会社」に、一般事務は「事務受託会社」にそれぞれ委託されています。

一般社団法人 投資信託協会より

また、J-REITにはそれぞれ、投資物件を供給するスポンサーである不動産会社等がバックについており、運用会社はこのスポンサーが設立しているのが一般的です。
したがって、J-REITではスポンサーがどこなのかも重要です。

J-REITは、投資する不動産の用途によって分類することができます。
主に1つの用途に絞って投資する「特化型」のほか、複数の用途の不動産を組み合わせる「複合型」「総合型」があります。

「特化型」としては一般に、

①オフィスビルを中心とする「オフィスビル特化型」
②賃貸マンションなどを中心とする「住宅特化型」
③商業ビルやショッピングモールなどを中心とする「商業施設特化型」
④ホテルや旅館を中心とする「ホテル特化型」
⑤倉庫などの物流施設を中心とする「物流施設特化型」
の5つがあります。

また、2つの用途の不動産に投資するのが「複合型」、3つ以上の用途の不動産に投資するのが「総合型」です。

なお、2021年5月末時点におけるJ-REIT全体での用途別比率(取得価格ベース)は、次の図のようになっています。

REITのメリットと注意点 

金融商品としてのREITには、次のようなメリットがあるといわれます。

⒈不動産に直接、投資する場合と比べて、小さい金額から投資できる
例えば投資用マンションの購入には通常1000万円以上が必要ですが、J-REITでは銘柄によって異なりますが、1万円から70万円程度で投資することができます。

2.証券取引所に上場しているので、手軽に売買ができる
証券会社の窓口やインターネット取引を通じて、上場株式と同じように売買することができるので、不動産に直接投資する場合と比べて、時間や手間が全然違います。

3.実際の運用は不動産のプロが行う
不動産の選択・取得や維持管理、賃貸募集などの業務はすべて専門家が行い、しかも定期的に情報開示がされているので透明性も高いといえます。

4.複数の不動産に分散投資できる
J-REITはそれぞれ、立地や規模の異なる複数の不動産を保有しており、数多くのテナントから賃料を受け取ることで自ずと分散投資になっています。

5.配当性向が高い
J-REITは法律上、利益の90%超を配当すると法人税が実質的に免除されるため、利益の大部分を分配金として投資家に支払っています。
そのため一般に、株式より安定したインカムゲインが期待できます。

実際、長期的な運用結果を見ると、配当なしでは東証REIT指数と東証株価指数(TOPIX)にほとんど差はありませんが、配当込みでみると東証REIT指数の方が高いパフォーマンスを出していることが分かります。

一般社団法人 不動産証券化協会より
一般社団法人 不動産証券化協会より

一方、REITには、株式と同じように価格変動リスク、収益変動リスク、金利変動リスク、運用リスク、倒産リスクなどがあります。
例えば、今回のコロナ禍では、「物流施設特化型」は別として、多くの銘柄で価格変動リスクが顕在化したといえるでしょう。「ホテル特化型」では、分配金の原資となる収益が低下する収益変動リスクも懸念されます。

また、2008年のリーマンショック後には、民事再生法の適用を申請するケースや実質破綻で吸収合併されるケースなど、倒産リスクが表面化しました。
今後については、金利変動リスクにも留意する必要があるかもしれません。

今回はJ-REITの現状と今後①としてREITの基本的な仕組みとREITのメリットと注意点についてお話しました。次回は、「コロナ禍での急落とその理由」と「現状と今後の注目点」についてお話したいと思います!

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